届いた荷物の 差出人は女性、
その名前をみて 僕は驚いた。

その女性は うちの最初のレッスン生、以前ここで ちょっと触れた事があるんだけど
数年前に 突然連絡が途絶えた、 その彼女からだった。
途中、二度ほど葉書きを貰ってはいたけれど。
大手フラワーデザイン教室のレッスン経験者だった彼女は、縁あって なんの資格も出せない 手探り勉強会のような ウチのレッスンに参加してくれた。
突然 連絡が取れなくなって 顔を見ることも無くなって やっぱりそれは 残念なことだったけど
家業を手伝っていた 親孝行な彼女が そういう形でこの町を出て行くのには それ相当の理由が 有ったに違いない。
なにも事情が判らずに あれこれと言うのは不毛だろう。
ただ、まがいなりにも人の親をしていると 彼女のご両親の気持ちを考えずにはいられない。
せめて双方 連絡が取れるよう していればいいなと おもう。
それとも もう そんな心配がいらない状態になっているのだろうか。
仕事そっちのけで 品名「苗花」と書かれた箱を開けると なかには 「プリムラ」が詰められていた。
輸送で傷まぬよう 一株づつ丁寧に 根巻きしてある。

彼女らしい その色づきのプリムラの横には 手紙が添えられていた。
それは 当初の ウチのレッスンのように 手探りで、迷いつつ生き 過ごしている空気が一緒にしたためてある。
うん、どうぞ 沢山たくさん 考えて 悩んで 過ごしてください。
歳は関係ないけど 僕がいま この歳になって想うことは、
いつまでも 人の悩みは尽きないなぁ・・・と、
よくもまぁ 次からつぎへと 生まれてくるなぁ・・・・と。
きっと それは ちょっと 我慢すれば終わる 罰ゲームの様には、
何日か我慢してやり過ごせば やってくる週末の様には いかないんだと。
悩みに週末は やってこないんだと。
昨日は ちょっと 留守をしていて 箱を開けたのは 23日になってしまったんだけど
荷物が 我蘭堂に届いた 22日は 偶然 我蘭堂の16回目の誕生日だった。
花屋が 花をもらう機会は少ない、そんな中で お店の誕生日に 届いた花苗。
Aさん、ありがとう、ありがとう。
手紙も うれしかったよ。
そちらの 連絡先も教えてくれてありがとう。
すぐに 電話をしようとしたんだけど 思い留まって 受話器を置きました。
僕に なにか 役に立てることは ないかな?
このブログも 見てくれているらしいけど また 連絡がくるのを楽しみにしてます。
こうして生きていればまた 会える日も あるでしょう。
プリムラ、育ててみるからね。