(チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ 残りおよそ11時間)
ホテルの部屋に戻り カーテンを開けて街を見渡してみた。
4月のときの部屋から見て どうやら 西側に向いているみたいだ。
静かな街を 見下ろしてみた。
明日は 非常にタイトな時間の中 温泉に連れて行ってくれるらしいけど 今夜は妙な汗もかいたし シャワーを浴びて寝ることにする。
翌朝の待ち合わせの一時間前に アラームをセットする。
(チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ 残りおよそ10時間)
前回はヘベレケに酔っ払っていたけど 今回は比較的しっかりしている、それでも眠りは ごく浅かった。
どこでも眠れるタイプなのに めずらしい。
ウトウト しながらも 朝になり 僕はアラームが鳴るのを待つことなく
そのアラームを解除した。
カーテンを開けて 昨夜と背景の色だけが変わった街を眺めた。
(チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ 残りおよそ6時間30分)
8時に部屋の外で 千葉班と ひさちゃんで 待ち合わせして 朝の市場に朝食を食べに行く事になった。
「アウガ」の地下にあるこの市場は いっちのブログでもお馴染みだ、来てみたい場所だった。
こんな地下にある市場なのに なんだか全然生臭くない、鮮度が違うのかなぁ。
カウンターしかない 小さな食堂でみんなで並んで食事をした。
とっても 美味しかった。
あんまりノンビリしている時間は無い、少々買い物をしてホテルにとんぼ返りした。
10時には いっち が迎えに来てくれるからだ。
(チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ 残りおよそ4時間30分)
ホテルをチャックアウトして いっち を待つ。
ロビーの装飾は 昨夜僕が沢山活けた 「グロリオサ」のフェイクが偶然飾られていた。
4月にも来た 公園にみんなで向かった、そう、ma- も好きだったあの公園。
(チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ 残りおよそ4時間)
再び いっち の車に乗り込み 温泉へ向かう。
そして その前に 八甲田の紅葉を 見せてくれるらしい。
すこしの間 ドライブ。
落ち着いて話が出来る時間があってよかった。
すべてが 紅葉スポットのようだ。
「うっち に見せたい場所があるんだ」 というところまで あと少しらしい。
そして・・・・・・
ホンとに ショックなくらい綺麗だ。
実際にみた紅葉は カメラのスキルも無い僕が写したこの画像の 何十倍も 心をギュッとさせる。
写真に撮るのが もったいなかった。
心が ザワザワし始めていた。
僕はちょっと変だ。
(チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ 残りおよそ3時間)
いっち の友人が支配人をつとめる ホテルへと向かう。
ここで温泉に入り 山の幸満載の 昼食を ごちそうになった。
本当にすばらしい場所だ。
(チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ 残りおよそ1時間30分)
どうも僕は変だ。
紅葉を見てからだろうか、気持ちがザワザワする。
食事も美味しかったけど 沢山食べられなかった。
支配人と挨拶をかわし ホテルを出る。
入り口の 「ドウダンつつじ」は 染めたような赤だ。
(チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ 残りおよそ1時間)
やっぱり 僕は少し変だ。
うすうす感づいてはいたんだ・・・・
朝から、いや、楽しかった昨夜から
僕の中で出発までの アラームがカウントダウンしているのを。
帰りたくなくなっている。
もっと 話があるんだ
もっと もっと 聞いて欲しい事があるんだ
もっと もっと もっと 聞かせて欲しい事があるんだ。
まだ 帰りたくないんだ。
(チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ 残りおよそ30分)
かなり タイトな時間で 空港へ 向かっている。
4月のときの 見覚えのある風景が見えてくる。
青森空港は すぐそこだ。
到着。
(ピピピピピピピピピピピピピピッ 残り0分)
僕らは帰らなければいけない時間だ。
寂しい。
いっち ありがとう、一緒に来てくれた 片岡さん ほんとに ありがとう。
何回、どういう風な言葉を届けたら このカンジが伝わるだろ。
4月のときは まだ不謹慎な気がして この言葉を 言っちゃイケない気がしていたんだけど
あの日から一年が過ぎて 今なら許されるような気がするんだ。
うん、いっち また会おう そして またやらかそう
いつだって会える だって僕らは・・・
「僕らは 生きているんだから」