4月10日 はれ 「アンビエンテ・バイ・フォルツエアー」グランドオープン当日
二日酔いで少しフラつく足で 青森ワシントンホテル最上階の部屋のカーテンを開ける。
昨夜はまったく見えなかったけれど
イッチーの言うとおり海はすぐ目の前にあった。
チェックアウトにはまだ早いけど 少し荷物をまとめようとバッグをあけた。
昨日出発前に荷物をまとめる際 自分の着替えより先に バッグにしまったTシャツがある。
それはこれ・・・・
今回の仲間に初めて会った夜に貰ったシャツ。
意味もなく ベッドに広げて眺め また畳んでバッグにしまった。
朝食を済ませ ホテルをチェックアウトし イッチーに業務連絡。
忙しいというのに午前中に仕事をこなして また僕のところに来てくれるという・・・・
アンビエンテのオープン時間まで間があるので海の所まで歩く事にした、もっともすぐ目の前だ。
ちょっと振り返ってみた、平日の朝だけあって人が少ない・・・
そして青森は道が広い。雪が降った景色をシミュレーションしてみる・・・
突き当たりの海まで着いた・・・あっ、ここだ、
ma-さんが来た公園。
マネージャー、今朝の僕にとんかつ弁当はちょっとキツイけど まぁ 座ろうよ・・・
僕は別にセンチメンタルな傷心旅行に来たわけではない、でも
ずっと意識の中にある・・・・
今回の旅の本当の企画者はma- だ。
僕はここで写真を撮り、深く深呼吸をした。
さぁ、アンビエンテで最後の仕上げをしてこよう。
アンビエンテには沢山のお花が続々届いた。
花の水の補給や配置など出来るお手伝いをして イッチーを待つ。
途中突風により 表の花が倒れるハプニングがあったけど、出来る限りの手直しをした。
スタッフの皆は忙しい中 ずっと僕を気遣ってくれた。
その後イッチーと合流、ここでアンビエンテのスタッフとはお別れとなった。
仕事の手を止めて出てきてくれたスタッフのみんな、ありがとう、本当にお世話になりました。
きっときっとまた 会える。
二人で車に乗り込み、昨夜の名残の胃袋に さっぱり系のラーメンはどうだろうと 言う事になり あるラーメン屋さんへ向かう。
聞けばそこは ma-お気に入りのラーメン屋さんらしい・・・・
さっぱりとした味付けの中華そば、おおかたma-も二日酔いの時食べて、気に入ったのだろうその味付けを 僕も二日酔いの身体で体験した。
その後 そこから程近い フォルツエアーに寄ろうという事になり 二人で向かう。
今日のイッチーは 僕が知っている昨日までのイッチーと一味ちがう やり手のディーラーさんのイデタチだ、すごくかっこいい・・・・ゴージャス・イッチーだ。
フォルツエアーに着いて店に入っていく彼を写真に収めようとした
やっぱりかっこいい・・・
そんな僕に振り返ったイッチーは
お茶目な、僕のよく知っているイッチーだった。
フォルツエアーで片岡氏、ミッチーと再会し、歓迎してくれたスタッフとも挨拶を交わし 青森を後にする事を告げた。
片岡氏とのハグ・・・・・・
きっと、きっとまた会える。
その後、僕のお土産の買い物に付き合ってくれたイッチーは 飛行機までの時間を考え 僕に一つ提案をした。
「風呂に行こう」
温泉に向かう道すがら 彼は僕に言った。
「ma-が来た時は必ず風呂に行ったんだ」
「へぇ、じゃぁ、今日はma-ツアーだね」
すこし間をおいてイッチーは僕の方を見て言った。
「そう、ma-ツアーがね・・・したかったんだよ・・・」
そこで僕達は笑ったけど 同時に僕達は一緒に抱えている哀しみに触れた。
よく来るという温泉に浸かり 「お酒抜かなきゃねぇ」なんてはなして、子供みたいに はしゃいだ。
(ここを出たら 青森空港に行くんだ・・・ここを出たら帰るんだ)
まいった・・・・まいったぞ、帰りたくない・・・・
風呂場の湯気で曇った時計は そろそろ時間だと言っている。
「洗って出ようか」
「だね」
フロアでジュースをおごってもらう。
二日間ゴチになりっぱなしだったけど 何も言わずジュースをご馳走してもらう事にした。
そうしてもらいたいと思った。
お酒の抜けた身体で 二人空港へ向かった。
行きには気づかなかったけどやっぱり 所々雪が残っている・・・
空港でもギリギリまで話をして いよいよ搭乗の時間になり イッチーとお別れ。
濃厚な二日間、この感謝を一言で表すボキャブラリーを 金田一晴彦先生、ぼくに教えてください・・・・
またくるよイッチー、いつでも会える、それが良く解ったよ。
人目をはばからず抱き合って別れた。
荷物検査で相変わらず警告音を鳴らす僕が、その後 無事に通過した時 こらえきれず振り返ると わずかな隙間から
手をふる親友・・・・・・
うん、また会おう、またやらかそう。
ありがとう 僕の友達。