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春の日に

今年の年明けから 定期的に自宅飾りのお花を数本買いに来る親子が居る
若いママと 3歳くらいの男の子 そしてママの背中には赤ちゃん。

お兄ちゃんが いつもあれこれとお花を選び 5~6本買っていく。

良くしゃべる男の子で お花を選ぶ時も その花の色を声に出して言い、そして すごく迷う。

ママに諭されて やっと決まり 会計を済ませて帰っていく。


いつだったか その男の子が お花のこと以外のお話をしてくれた、
家族の事だった

舌足らずなので ちょっとよく聞き取れない部分もあったんだけど、最後の方に

「おとうさんはいない」 

って聞こえた。

(事情があって一緒に暮らしてないんだな) って察して ママの手前、そこは聞き流しておいた


その日の午後、その男の子のおばあちゃん、要するに ママの実のお母さんが 我蘭堂にやって来た
法事用アレンジの依頼だった。

聞くと 去年の暮れも押し迫った頃に 「娘の旦那が亡くなったのよ」 という事だった

僕はあの男の子の言った 「おとうさんはいない」 の本当の意味をその時知った



後日、約束の日に そのご家族の家に納品に行った
我蘭堂からほど近い 真新しい住宅が並ぶ一角にある 真っ白で綺麗な新築の家だった

きっとご主人は この家で 一年間さえ暮らせなかっただろうとおもう
それほど 哀しいくらい新しい家だった



なんてことだろう。  そう  おもった


その ママのお父さんにも お会いした
みんな 心配になってしまうくらい 妙に落ち着いている

娘が赤ちゃんを抱えている って事は そのお父さんは僕と世代的には ほぼ一緒だ
娘さんを不憫に思っていらっしゃるだろうなと そう おもう。



どうしたら こんな哀しい思いをしないでいられるだろうなんて そんな勝手な事を考えたくなるくらい
なんてことだろう と そう おもうわけです。


乗り越えられない苦労は その本人にはやって来ない っていうけど
これはキビシイじゃないですか と そう神様に言いたくなる試練だなと そう思うのです


春になって 暖かくなって 桜も膨らんで 
楽しいことが あった日に そんな日にこそ つらいだろうな と。

あの男の子が選んだ我蘭堂の花達は ほんの少しでも ご家族のお役にたてているかな

僕らがこうして 日常を過ごす中に そんな非日常が起きてるんだなと
あらためて実感する そんな 春の日です。
by garland1992 | 2014-03-23 15:07 | Comments(0)