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アブラカタブラ ヒラケゴマ

今にして思えば ウレしい楽しい花を買いに来たカンジじゃなかったと気づくべきだった。

軽率だった。



その女性のお客さんは 店内を少し見回したあと
「赤ちゃんらしいお花・・・かわいいお花をなにか 少しください」
といった。

春の花が出回るこの時期は そんなご希望通りのかわいいお花がたくさん有る
「男の子ですか?女の子ですか?」などと 少しやり取りをしながら 
結果、チューリップ、スイートピー、レースフラワー等に決まった。

なんとなく自宅使い用なカンジだなと思ったんだけど
僕の「贈り物ですか?」の問いに その人はやっぱり「自宅用です」と答えた
僕はお花を包みながら そのお客さんが 赤ちゃんのママであると確信した。

お会計までの間つなぎに 僕は そのお客さんに
「生まれたばかりなんですか?」と話かけた瞬間に そのお客さんの目が涙でいっぱいになった。

一呼吸おいて そのお客さんは
「流産 しちゃったんです」

今日初めて話をする僕の前で その人は大きな涙をこぼした。

「へんなこと訊いちゃってごめんなさい」ってお詫びしたら 「いいえ、また買いにきます」 と言った。

そのあと 少しだけ話をして そのお客さんは帰って行った。







「そんなつもりで言ったわけじゃなかった」
「傷つけるつもりはなかった」

時々 こんなセリフを耳にします。

いつも思うことがある
「傷つけるつもりはなかった」っていうのは 「殺すつもりはなかった」 っていうのと本質は一緒だ。

よく周りも確認しないで 包丁を振り回した後 周りにけが人が出たとして
「傷つけるつもりはなかった」といったらゆるされるだろうか?

「そんなつもりで言ったんじゃない」っていうけど 言葉は気持ちを盛る器みたいなものだから 器も選ばず相手に手渡したとして その器がカケてたら受け取る方はケガしちゃうに違いないもの。

そもそも 「どんなつもりだったのか」は 相手が決めることだ

花屋の仕事は 喜び哀しみの両脇で仕事している、もちろんそればっかりじゃないけど・・・
そして販売だけじゃなく 作って 創って 束ねて 商品とする仕事なわけで
そんな仕事を四半世紀もやってきたこの僕の このザマはないなと 痛感した出来事なわけで。



もちろん どんなに気を配っても 相手の地雷を踏むような会話ってのもあるし
これからも そんな失言や失敗は避けられないだろうな。

だからって 僕らは自動販売機じゃない
お客さんの様子をみながら 求めているモノ そして こちらが買ってもらいたいモノとを
擦り合わせていくべきだと思う。
そんな中では ちょっとした失敗は これからもあるでしょう
いけないことは 失敗しちゃうことより それをやめちゃうことだと想っております。





あのお客さんが 涙をこぼしたあと 慌てて「また買いに来ます」と言ったのは 
僕に気を使ってくれただけではなかったと思う。

花屋で涙してしまった自分にも向けた 言葉のように思いました。

そして それは きっと「呪文」のように 力を持つんだろうね


僕は この日 そんな呪文を間違えて使ってしまった

呪文を間違えたら ひらく扉も開かないのだ

「顔洗って出直してこいっ」 と自分に言いたい

きっと それが今の僕に必要な呪文だとおもう。
by garland1992 | 2011-02-06 18:07 | Comments(2)
Commented by hide at 2011-02-07 20:48 x
それ、凹むね・・
うん・・
両面がある商売なんだね・・

凄いよ、逆に。
やれてるのが凄い。

オレなんかさ、何で相手が傷ついてるのか、分からない時があるもん。。
急に泣かれたりとか怒りだしたりとかさ・・
これこそサイテーだと想うんだよね・・
だって、理由が分からないんだよ??わし。。
難しいなぁぁぁ、人の心って。。。
Commented by うっち at 2011-02-08 07:45 x
>いっちん♪
・・・うん。
泣かれた瞬間、おれが最初に思ったことは「しまったっ」だったんだよね、相手の心配っていうより 自分の失敗に対しての「しまったっ」だった気がする。
もうそれがさ・・・サイテーって感じちゃったんだよね・・・
そんな事だからダメなんだなぁって。

難しいやねぇ、人の心・・・いっちでもそんなこと有るのかぁ・・でも 少なくても「あの秋」に見た限り いっちの仕事っぷりってのは思いやりに溢れてたよ。
きっと思いやるほど食い込んでいく事ってあんのかなぁ・・・
難しいやねぇ・・人の心←(二回目)
ありがとね。